こんにちは。
Findy で Tech Lead をやらせてもらってる戸田です。
突然ですが皆さんは本を読みますか?
エンジニアという職業柄、技術書やビジネス書など、様々なジャンルの本を読む機会が多いのではないでしょうか?
そこで今回は、人生を変えた一冊と題して、弊社エンジニア達のお気に入りの一冊を紹介していきます。
それでは見ていきましょう!
人生を変えた一冊
戸田
ソフトウェア・ファースト あらゆるビジネスを一変させる最強戦略
及川卓也さん著の本で、DX(デジタルトランスフォーメーション)の本質を理解するためには必読の一冊です。
2024年9月には内容を大幅改定した第2版が発売予定とのことで、こちらも合わせてチェックしておきたいですね。
内容としては、日本のIT史の振り返りから始まり、現在の問題点の指摘、そしてDXの在り方、進め方について詳しく解説されています。
また、これからの時代の強い開発組織の在り方や作り方にも言及されており、エンジニアだけではなくマネージャーや経営者の方にも是非読んで欲しい一冊になっています。
実際に読み進めていくと共感できる部分が多く、「わかっているけど中々実行に移すことができない」という方にヒントを届けてくれるような内容でした。
この本が世に出た当時、自分は30代に入ったばかりで、いわゆるマネージャーとしてのキャリアを少しかじっていた頃でした。
経営陣がやって欲しいことと開発組織がやりたいことがズレている感覚が少なからずあり、この本を読んだことによってそれらがクリアになり、実際に実行に移すことが出来たことがありました。
自分が抱いていた感覚というものは当時所属していた組織特有のものではなく、社会全体の問題であるということを再確認できたため、逆に割り切って行動に移すための勇気を貰うことができました。
おそらくこの本と出会っていなかったら、今でも違和感と葛藤して何も進められないままだったと思います。そういうこともあり、エンジニア人生のターニングポイントとなった1冊になったと思います。
ジョナサン・アイブ
1冊と言っていながら、もう1冊の紹介をさせてくださいw
かのスティーブ・ジョブズが絶対的な信頼を寄せたデザイナー、ジョナサン・アイブ氏の生い立ち、学生時代、アップル入社後のiMac、iPhone、iPad、MacBook Airなど数々の革新的な製品づくりでの試行錯誤、社内での争いまでを描いた一冊です。
モノづくりに対する思考や姿勢、デザインに対する考え方など、エンジニアにも多くのヒントを与えてくれる内容になっています。
この本が世に出た当時、自分は20代中盤くらいで若く、これから何をしてキャリアを考えるべきなのか模索していた頃でした。その時にこの本と出会い、何気なしに読んでいくとアイブ氏のモノづくりに対する姿勢に驚かされました。
詳細は本を読んでいただきたいのですが、例えば新製品のデザインをする際、彼は数百、数千パターンのプロトタイプを作るそうです。
そのパターンなのですが、素人からみたらパッと見だと全く同じデザインに見えるそうです。しかしこれらは全て数ミリ単位で違うそうで、その違いを比べつつ、最終的なデザインに辿り着くそうです。iPhoneやMacbookなどのデザインも最初はこのようにして生まれたとのことで驚かされました。
これを読んだ時、自分が悩んでいたことが実はまだ甘い考えだったと気付かされました。世界的プロダクトを生んだデザイナーだとしても、まず最初に泥暗いことをやり切っているからです。
自分程度のエンジニアが今の段階でウダウダ悩んでいる暇があったら、目の前のことに集中して1個ずつ泥暗いことをやり切り続け、引き出しを増やすことに集中しようと決意できました。
おそらくこの本と出会っていなかったら、今でもウダウダ悩んで手を動かしていなかったかもしれません。この本もまた、エンジニア人生のターニングポイントとなった1冊になったと思います。
高橋
ファインディでエンジニア兼プロセス改善コーチをしている高橋(@Taka_bow)です。
1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え
シリコンバレーの伝説的コーチでありスティーブ・ジョブズの親友でもあったビル・キャンベル。
『1兆ドルコーチ』は、彼の様々な教えを記録した本です。著者は元Google会長のエリック・シュミット、元Google SVPのジョナサン・ローゼンバーグ、元Googleで経営コンサルタントのアラン・イーグルの3名。(すでに著者がすごい面子!)
この3人のみならず、ビルの指導を仰いだ起業家たちの多くが今日のテクノロジー業界を牽引しています。現在のGAFAMの隆盛は、ビルの影響力なくしては語れないと言われています。
私が好きなエピソードの1つに、Googleがマネジャーを「全廃」し管理職のいない組織を作った直後の、ラリー・ペイジとビルのやりとりです。
ビルは言います。
「ここにはマネジャーを置かないとダメだ」
ラリーは答えにつまった。ちょうどマネジャーを全廃したばかりで、彼は結構満足していたのだった。(後略)
二人はどちらも譲らず、しばらく堂々めぐりの議論を続けた。とうとうビルはラリーの流儀にならって、それならエンジニアに直接聞いてみればいいと言った。(中略)ビルはその一人に、マネジャーがほしいかと訪ねた。
ええ、という返事だった。
なぜだ?
「何かを学ばせてくれる人や、議論に決着をつけてくれる人が必要だから」
その日彼らは数人のソフトウェアエンジニアと話したが、答えはほとんど同じだった。
このエピソード1は、たとえテック企業でもマネージャーがきわめて重要な存在であることを示しています。エンジニア組織のマネジメントで悩みがあると、今でも読み返します。
森
FIndy バックエンドエンジニアの森 @jiskanulo です。
アジャイルサムライ――達人開発者への道
アジャイル開発を進める上でのチーム作り、見積もり計画、日々の開発と多岐にわたって解説があり入門書としておすすめです。
アジャイルサムライ日本語訳版が出版された2011年当時、IT業界のエンジニアが集まり各章を読み合わせる輪読会のコミュニティが日本各地で生まれました。 このコミュニティは次第に盛り上がり、翌2012年には原著者のJonathan Rasmussonさんを日本にお招きして参加者100人超えの大イベント Agile Samurai Dojo Gathering 2012 を開催するに至りました。 蒔かれた種子は今も世界でも芽吹いているでしょう。
私個人の当時の思い出を記します。 2010年に当時勤めていた企業を退職、数ヶ月の無職期間を経て新しい会社に勤めていました。 ユニットテストを導入して安全に開発するための仕組みづくり、営業メンバーの業務効率化のためのツール作成、社内サーバーの管理やデータセンターへのラッキングなどなど会社とプロダクトに貢献するべく取り組んでいました。
そんな日々を1年ほど過ごし、ただ作業をこなすだけで1日終わってしまう作業者になっているなと感じていました。 一人でできることは限界があるとも感じており、チームを組んでよりよい課題解決のやり方を模索しどうすればいいプロダクトを作れるのか、そもそもいいプロダクトとは…と色々なことに思い悩んでいました。
思い悩んでいるなかでアジャイルサムライに出会い、この本を通じてコミュニティに参加して他の方と交流を深めることで同じような悩みを抱えている仲間がたくさんいることを知りました。
ファインディ社に入社してから、この本にある「達人開発者」の振る舞いをあらためて心がけようとしています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
現在、ファインディでは一緒に働くメンバーを募集中です。
興味がある方はこちらから ↓ herp.careers
- (引用)エリック・シュミット. ジョナサン・ローゼンバーグ. アラン・イーグル. 櫻井 祐子 (翻訳). 1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え. ダイヤモンド社, 2019/11/14, p.63↩