Findy AI Meetup in Fukuoka #5 を開催しました — AI時代のエンジニア育成

こんにちは。ファインディ株式会社でテックリードマネージャーをしている戸田です。

2026年4月15日に、Findy AI Meetup in Fukuoka #5を福岡で開催しました。

今回のテーマは「AI×育成 AI時代のエンジニア育成」です。

この記事では、当日の登壇内容を振り返りながら、生成AI時代におけるエンジニア育成で私たちが直面した課題と、そこから見えてきた「変わらない大切なこと」を紹介します。

https://findy-inc.connpass.com/event/383906/findy-inc.connpass.com

当日参加くださったみなさま、ありがとうございました!

Findy AI Meetup in Fukuokaについて

Findy AI Meetupは、ファインディのエンジニアが主催する技術系オフラインイベントです。

生成AIやAIエージェントの活用を通じた開発生産性の向上をテーマに、社内での実践事例の紹介やエンジニア同士の交流を目的としています。

福岡での開催は今回で5回目となりました。回を重ねるごとに参加者同士の顔なじみも増え、福岡のエンジニアコミュニティとして根付いてきたことを実感しています。

登壇内容

新メンバーのために、シニアエンジニアが環境を作る時代

1つ目の登壇は、フロントエンドエンジニア/テックリードの新福が担当しました。

エンジニア以外のメンバーがPull requestを作るようになった

生成AIの普及により、エンジニア以外のメンバーでもコードを書けるようになりました。

ファインディでは、デザイナーがClaude Codeを使ってUIドキュメントを作成したり、PdMがCursorでモックを作成するといった事例を確認しています。

直近では、エンジニアがBizメンバー向けにNotion MCPを用いた求人票改善ツールを開発しました。

tech.findy.co.jp

実はこの話にはまだ続きがあります。しばらくすると、今度はBizメンバーが自分でプロンプトを修正し、エンジニアにPull requestを送るようになったのです。

コミットやPull requestの作り方を誰かに教わったわけではありません。AIチャットに聞きながら操作し、Pull requestを作り上げていました。AIチャットが開発の入口となる時代、その波は既にエンジニア以外のメンバーにも届いています。

Pull requestの品質が課題に

一方で、コミットメッセージのフォーマットや命名規則など、開発ルールを知らないまま作られたPull requestには品質面での課題がありました。レビュアーの負担が増え、指摘のたびに手戻りが発生するような事態は避けたいです。

この解決策としては、エージェントスキルの整備が有効と考えられます。

AIチャットから自然言語でエージェントスキルを呼び出すだけで、誰でも開発ルールに準拠したPull requestを作成できます。

AI時代のシニアエンジニアができること

シニアエンジニアはこれまで、知識を言語化して伝えること、コードレビューによる品質担保、ペアプロでの指導といった形で、チームの品質と成長を支えてきました。

これらの役割は引き続き重要ですが、AI時代はそれに加えてカスタムインストラクションやエージェントスキルの整備などもシニアエンジニアの仕事になると思われます。

誰でも参加できる仕組みを作ることは、教える相手を選ばない育成インフラの構築につながります。入社1週目の新メンバーが初日からコントリビューションを体験し、「何を作りたいか」に集中できる環境を整えること——それがAI時代のシニアエンジニアの新しい役割となるかもしれません。

生成AI時代のエンジニア育成 — 変わる時代と変わらないコト

次にテックリードマネージャーの戸田が担当しました。

生成AIでコードの作り方が変わった

生成AIの登場によって、開発の進め方は大きく変わりました。「調べる→試す」だったプロセスが「AIに聞く→コピペ」に変わり、詰まる時間は激減しました。

基本的な知識がなくても動くコードが手軽に出せるようになった一方で、公式ドキュメントよりAIへの問い合わせが先になりがちで、「なぜ動くのか」を知らずに実装する機会が増えていました。

現場で起きた逆説

AI導入後、シニアエンジニアのアウトプット量は増えていました。しかし若手エンジニアについては逆の現象が起きていました。

Pull requestの質が落ち、AIが出力したコードを理解せずにレビュー依頼を出すケースが増えたのです。その結果レビューコメントが増え、レビュー負担が上昇し、リードタイムは悪化していました。

トータルで見ると、チーム全体の生産性はさほど変わっていなかったのです。「AIで効率化できた」という実感とのギャップがそこにはありました。

AIに「使われる」のではなく「使う」

この状況を整理すると、若手エンジニアの一部はAIに「使われている」状態でした。

AIが出力したコードが正しいかどうかを判断できず、間違いに気づかないままレビューを依頼する。ハルシネーションを見抜けず、誤った実装をしてしまう。AIに正しい指示を出せないから「作ってください」としか言えず、意図と異なるコードが出てくる。

「使う」状態はその逆です。自分の意図に沿ってAIを動かせる。正誤を判断できるから間違いをその場で弾ける。正しい指示が出せるから意図通りの出力が得られる。

この違いを分けるのは、エンジニアとしての基礎力です。

基礎知識がなければ、正誤判定も正しい指示もできません。動くものを作るレベルは「AIに使われている」状態であり、正しい方法と手順で作るレベルが「AIを使う」状態です。

原点回帰 — 基礎力の価値が上がっている

生成AI時代だからこそ、基礎力の価値はむしろ上がっています。基礎知識、座学、資格取得といった、一見すると地味な取り組みが重要性を増しているのです。

ファインディでは、基本情報技術者試験相当以上の資格を取得することを推奨しています。広く浅い基礎知識を体系的に習得できるという点で、コスパもタイパも高い学習方法です。合格した場合は受験料を会社が負担する制度も用意しています。

基礎力がつくとAIの出力に対する正誤判定の質とスピードが上がり、レビュー前のセルフチェックで問題を潰せるようになります。ハルシネーションを見抜けるようになり、「何かおかしい」と気づける感覚が身に付きます。

さらに、AIに正しい方法と手順で指示を出せるようになるため、レビューでの議論が設計やパフォーマンス、UI/UXといった本質的な内容になります。

今回の登壇と資料が皆さんの参考になると幸いです。

■ 明日から試せるアクション ■

登壇内容を踏まえて、明日から実践できることを整理しました。

AIの出力を必ず検証する習慣をつける

AIが生成したコードをそのままコピペするのではなく、「このコードは何をしているか」「なぜこの実装なのか」を自分の言葉で説明できるか確認してからレビューに出しましょう。説明できないコードはレビューに出すべきではありません。

基礎知識を体系的にインプットする

基本情報技術者試験の教材は、ネットワーク、データベース、セキュリティ、アルゴリズムなど、開発の土台となる知識を広くカバーしています。資格取得そのものが目的ではなく、AIの出力を正しく評価するための「物差し」を手に入れることが目的です。

「AIに聞く前に公式ドキュメントを読む」時間を意識的に作る

すべてをAI経由にするのではなく、まず公式ドキュメントで基本を理解したうえでAIを活用する、という順序を意識するだけで、コードの理解度は大きく変わります。

チームの開発ルールをエージェントスキルやカスタムインストラクションに落とし込む

シニアエンジニアが持つ暗黙知を仕組みとして整備することで、新メンバーやエンジニア以外のメンバーでも開発ルールに準拠したPull requestを作れるようになります。「教える」から「仕組みで支える」への転換です。

まとめ

今回のFindy AI Meetup in Fukuoka #5では、AI時代のエンジニア育成というテーマで2つの登壇を行いました。

登壇を通じて伝えたかったのは、AI時代で環境は大きく変わったが、変わらないこともあるということです。

手を動かし、汗をかき、積み重ねた基礎と経験は絶対に裏切りません。同時に、シニアエンジニアがエージェントスキルやカスタムインストラクションといった仕組みを整備し、誰でも開発に参加できる環境を作ることも重要です。

AI時代だからこその原点回帰として、エンジニアとしての基礎力を鍛えていきましょう。

Findy AI Meetup in Fukuokaは今後も継続して開催していきます。福岡のエンジニアの皆さんとオフラインでつながれるこの場を、これからも大切にしていきたいと思っています。

ファインディでは一緒に会社を盛り上げてくれるメンバーを募集中です。興味を持っていただいた方はこちらのページからご応募お願いします。

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